
俳優、五月藤江(さつき・ふじえ)の出演作をリストアップする。Webで検索をかけても情報は多くはない。個人のサイトで比較的詳しく調査されているものがあったのでリンクを張っておく→コチラ。どなたか情報をお持ちの方がいらっしゃったら、是非お知らせください。
筆者が五月藤江を初めて意識したのは『九十九本目の生娘』(1959年、新東宝)。この何とも言えない意味の分からないタイトル、そして水車に逆海老反りに縊りつけられた女性の脇でほくそ笑んでいる老婆のスチール写真に目が釘付けになったのである。そう、この老婆こそが五月藤江その人だったのだ。映画本編にはスチール写真のようなシーンはなかったのがくれぐれも残念。
このリストは、筆者が映画を観て見つけた(確認した)ものであるので勘違いがあるかもしれない。未見の作品は未掲載。おかしな点があれば情報をお寄せいただければ幸いである。
作品名 | 製 作 年 |
ク レ ジ ッ ト |
台 詞 |
説明 |
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月よりの母 | 1951 | × | ? | 養老院入居者 |
浅草四人姉妹 | 1952 | × | ? | 地震が起きた後に集まった蝶子たち街の人の中に五月藤江っぽいおばさんがいる |
足にさわった女 | 1952 | × | 〇 | さや(越路吹雪)の両親の法事の後の食事のシーン、出席者の中央で(高堂国典の左側)色々と語る婆さま |
東京のえくぼ | 1952 | × | ? | 金婚式を迎えるお婆さん |
風雲七化け峠 | 1952 | × | ? | 飴売り(永田靖)が宿屋の土間で歌っているのを眺めている宿屋の奉公人 |
明日はどっちだ | 1953 | 〇 | ? | 新橋演舞場にやって来る佐庭(池部良)の使いの老婆 |
かくて夢あり | 1954 | 〇 | 〇 | 序盤。高見沢義文(小林桂樹)の下宿「有明荘」のおばさん。序盤でアパートまえで義文に電話を取り次ぐ。割烹着に頭には手拭いを姉さん被り。日活作品で見かけるのは初めて |
慈悲心鳥 | 1954 | × | 〇 | 中盤。会社に詰めかけてきた出資者の一人。和服姿。他の人たちと担当者に出資金の返済を求めているようだがはかばかしい答えが得られないので困っている |
女の暦 | 1954 | 〇× | ? | 産婆(回想シーン) |
母の秘密 | 1954 | × | 〇 | 終盤。千代(轟夕起子)が娘のことを調べるため上京した時、道を尋ねる主婦。割烹着姿 |
石中先生行狀記 青春無錢旅行 | 1954 | 〇 | 〇 | 腹痛で苦しむ石中(和田孝)を介抱してくれる婆様。「巳年生まれの女童の小便を飲ませると治る」と言って女の子を探す |
悪魔の囁き | 1955 | 〇 | ? | 婆や |
一寸法師 | 1955 | 〇 | ? | しもたやの老婆 |
俺も男さ | 1955 | × | × | 中盤。街角の歩道上で店を出す新聞雑誌売り。多美子(筑紫あけみ)が立ち寄ってトピックニュースを購入する。アップのシーンがないので自信なし |
下郎の首 | 1955 | 〇 | 〇 | 小屋者お花(三味線弾き)。下郎(田崎潤)が踊るときの三味線弾き。フガフガいう合いの手を入れる。鼻の部分にマスクみたいのをしている。鼻が欠けているようだ |
花真珠 | 1955 | × | ? | 引揚げてきた人々の休憩所にいる婆様 |
風流交番日記 | 1955 | × | ? | バタ屋の船上結婚式の列席者 |
明治一代女 | 1955 | 〇 | × | 木賃宿(商人宿)の女将。終盤、お梅(木暮実千代)の探索に来た刑事に宿帳を見ながら応対している。台詞なし(何か喋っているようだが聞こえず) |
麥笛 | 1955 | 〇 | 〇 | 志村喬が住職の寺の参拝客。先客のお松(越路吹雪)に話しかける |
番場の忠太郎 | 1955 | 〇 | 〇 | 茶店の婆さん。中盤、青木一作(森繁久彌)がおぬい(桂木洋子)にからむ護摩の灰を蹴散らすシーン |
女優 | 1956 | 〇 | ? | <出演箇所不明> |
真昼の暗黒 | 1956 | 〇 | ? | 青木の老婆(青木庄市の祖母) |
長崎の子 | 1956 | 〇 | ? | 原口チサ(原口信夫の祖母)。駄菓子屋を商う |
人形佐七捕物帖 妖艶六死美人 | 1956 | 〇 | 〇 | 中盤。「春乃屋」の婆さん。茨木屋鵬斎(市川小太夫)が帰ろうとするシーンで顔に傷のある男(沢井三郎)が見張っていたと注意を促す |
「青春万歳」より 源平恋合戦 | 1957 | 〇 | ? | 金森菊次(高島忠夫)の母親・まつ |
スーパージャイアンツ 鋼鉄の巨人 怪星人の魔城 | 1957 | 〇 | ? | 家政婦の婆や |
銀座のしいのみ | 1957 | 〇 | 〇 | 観光客のお婆さん。仁丹みたいな銀の粒を甘い仁丹という |
純愛物語 | 1957 | 〇 | × | 少年院の卒院祝いの食事会に集まる院生の家族。皆と一緒にお赤飯を食べている。和服 |
ひばりが丘の対決 | 1957 | 〇 | 〇 | 高尾村村長(小倉繁)夫人。全編にかけて3〜4回登場する。役人(山田長正・千葉徹)が訪れた時の出迎え場面など。村長夫人だが、婆やみたいな感じがする |
姑娘と五人の突撃兵 | 1958 | 〇 | ? | 秀麗(三ツ矢歌子)の老婆 |
新日本珍道中 西日本の巻 | 1958 | 〇 | ? | <出演箇所不明> |
毒婦高橋お伝 | 1958 | 〇 | 〇 | 古賀陣十郎(中村彰)と娘のおみつ(大関啓子)の長屋のお向かいさん。中盤と終盤に登場。一人でいるおみつの世話をしてくれる。位牌の前で目を腫らしている。情のあるお婆 |
亡霊怪猫屋敷 | 1958 | 〇 | 〇 | 石堂左近将監(芝田新)の老母。化け猫に取り憑かれて飛んだり跳ねたりする(おそらく吹替) |
「印度洋にかゝる虹」より 静かなり暁の戦場 | 1959 | 〇 | ? | <出演箇所不明> |
カックン超特急 | 1959 | 〇 | 〇 | 平助(由利徹)の母親。序盤で複数回登場。「あーうー…」と訳の分からない言語を喋るが平助がすぐに通訳してくれる。他の家族には理解できない。着物姿 |
からたち日記 | 1959 | 〇 | × | おばさん |
影法師捕物帖 | 1959 | × | 〇 | 中盤。ある長屋に「貼り紙があるぞ」と触れて回る声に家から飛び出してきて駆け寄る老婆。後姿しか写らない(横顔すら見えないが)が、後頭部の形や背格好、駆け寄る動作がそっくり |
荷車の歌 | 1959 | 〇 | ? | 茶店の婆さん(セキがオト代を連れてお遍路してるとき立ち寄った茶店) |
九十九本目の生娘 | 1959 | 〇 | 〇 | あざみ(松浦浪路)の母親 |
女間諜 暁の挑戦 | 1959 | 〇 | × | 中盤。阿片窟みたいなところの世話する老婆 |
戦場のなでしこ | 1959 | × | × | 看護婦長代理の母親(回想シーン)、墓参りしてるのは五月藤江に似ているが… |
東海道 弥次㐂多珍道中 | 1959 | 〇 | ? | 丸子の茶店のお婆 |
無警察 | 1959 | 〇 | ? | 今泉家の婆や |
女吸血鬼 | 1959 | 〇 | 〇 | 終盤。地下城に住む白髪の老婆。終盤に登場。主人である吸血鬼(天知茂)が掟を破ろうとするのを諫めるが、逆鱗にあう |
警視庁物語 聞き込み | 1960 | 〇 | 〇 | 松木うめ(弟の捜索願を出す婆様) |
ゲンと不動明王 | 1961 | × | 〇 | 池で釣りをするオッチャン(千秋実)とゲン(小柳徹)に話しかける婆様は、五月藤江に似ているが… |
はだかっ子 | 1961 | 〇 | 〇 | 序盤~中盤。久雄(大場健二)の祖母。久雄は病気療養中で、その世話をする。序盤の犬殺しの場面、久雄の形見分けの場面等複数回登場 |
ヒマラヤ無宿 心臓破りの野郎ども | 1961 | 〇 | 〇 | 土門家の婆や。全編通して登場。健吉(片岡千恵蔵)が生まれた頃から43年間奉公している |
狂熱の果て | 196 | 〇 | × | 終盤。健次(松原緑郎)が葉山の別荘に行く途中、海辺の道で轢かれる老婆 |
警視庁物語 12人の刑事 | 1961 | × | × | 松島の遊覧船乗り場で魚介類を売っているおばちゃんの一人。よく似ているが… |
荒原の掠奪者 | 1961 | 〇 | ? | <出演箇所不明> |
松川事件 | 1961 | 〇 | ? | 赤間勝美(小林弘治)の祖母ミナ。「ばばちゃん」と呼ばれる |
野盗風の中を走る | 1961 | 〇 | ? | 食べる物がなくて猫を煮て食べている老婆 |
にっぽんのお婆ぁちゃん | 1962 | × | 〇 | 序盤。くみ(北林谷栄)の行方を捜す青木(市原悦子)が立ち寄った部屋で風邪で寝こんでいる老婆 |
警視庁物語 全国縦断捜査 | 1963 | 〇 | 〇 | 息子が犯人の餌食になると警察に申し出る老女 |
次郎長三国志 第三部 | 1964 | 〇 | 〇 | 豚松(佐藤晟也)の母親 |
明治大帝御一代記 | 1964 | 〇 | ? | 出征兵士の祖母 |
おんな番外地 鎖の牝犬 | 1965 | 〇 | ? | 藤崎とき枝(藤崎悦子の母親) |
にっぽん泥棒物語 | 1965 | 〇 | ? | 高橋はな(佐久間良子)の母親 |
恐山の女 | 196 | × | × | 口寄せするイタコの婆ちゃん、よく似ているが… |