「本間文子」の仕事

本間文子

女優、本間文子(ほんま・のりこ)の出演作をリストアップする。演劇畑の出身で『綴方教室』(1938年、東宝)で映画デビュー。多くの黒澤明作品にも出演をしている。「武田サダ」、「本間教子(ほんまのりこ)」、「本間敦子(ほんまあつこ)」、「本間文子」などの名義で出演している。基本的にノンクレジット出演は確認できていない。『海の呼ぶ聲』は戦時中の作品のためスタッフ、キャストのクレジットは省略されているため、一般的な「ノンクレジット」とは意味合いが異なることを記しておきたい。主役クラスの俳優ではないが、名前がクレジットされるくらいの中堅どころの名脇役と言ってもいいだろう。

黒澤作品などの旧作でよく見かける女優さんだったが、名前はまったく気にしていなかった。『戦国自衛隊』で戦車を見送る老婆役が妙に印象に残り、名前を調べてみて「本間文子」と知る。これがきっかけで気にするようになった。

このリストは、筆者が映画を観て見つけた(確認した)ものであるので勘違いがあるかもしれない。未見の作品は未掲載。おかしな点があれば情報をお寄せいただければ幸いである。

・作品名は公開日(確固内の日付)の昇順にソートしています
・製作会社が複数ある時は「=」を区切り文字としています
・外国映画は2行目に原題をイタリック体で表示しています

作品名
【映画】





説明
綴方教室
(1938/8/21、東寶映畫)
《本間教子》。ウサギをくれた隣のおばさん。準主役で露出度多い
はたらく一家
(1939/3/11、東寶映畫)
《本間教子》。主人公石村(徳川夢声)の女房。ほぼ主役。全編で露出
新雪
(1942/10/1、大日本映畫製作)
《武田サダ》。湯川家のお手伝い、おとくさん
海の呼ぶ聲
(1945/10/25、大日本映畫製作)
× 冒頭部、海で夫を亡くした主人公(杉村春子)に声をかけて慰める女人足仲間。戦時中のためかスタッフ、キャストのクレジットは一切ない
風の子
(1949/2/22、映画藝術協会=大泉スタヂオ)
《本間教子》。ブンニヨモサ(小山文右衛門)の女房。山田一家の面倒を見ることに猛反対する。障子越しにその声が聞こえてくる。姿は見せない、声だけの出演
野良犬
(1949/10/17、新東宝=映画芸術協会)
《本間文子》。二人の刑事(三船敏郎、志村喬)が聞き込みに寄った桶屋(東野英治郎)の女房。質問にいろいろ答える。比較的露出度高い
ペン僞らず 暴力の街
(1950/2/26、日本映画演劇労働組合)
《本間文子》。狩野組の被害にあった農家の母親。記者の取材を受けている息子(大森義夫)に「話したら殺される」とおびえている
羅生門
(1950/8/26、大映)
× 《本間文子》。口寄せを行う巫女。森雅之の声に吹き替えられているため、本人の声は聞けず
こころ妻
(1950/9/19、新東宝=青柳プロ)
《本間文子》。ホリカワ家の婆や。全編通して複数回登場。いつも和服
せきれいの曲
(1951/7/20、東宝)
《本間文子》。藤川家のご近所さん。中盤から終盤にかけて2度登場。回覧板を持ってくるシーン、ゆり(有馬稲子)が帰宅したときに声をかけるシーン
月よりの母
(1951/8/24、新東宝=青柳プロ)
《本間文子》。源さん(小倉繁)の女房。なんでも屋を家族ぐるみでやっている。どうやら非合法の営業みたい。一種の闇屋かも
安宅家の人々
(1952/5/15、大映)
《本間文子》。安宅家の婆や・おとく。冒頭からいきなり登場。中盤は姿を見せないが終盤に再登場
おかあさん
(1952/6/12、新東宝)
《本間文子》。平井パン屋のおかみさん。店主は中村是好、息子は岡田英次
夫婦
(1953/1/22、東宝)
《本間文子》。早川茂吉(小林桂樹)の婚礼に関して早川家に訪ねてきている彼の叔母
煙突の見える場所
(1953/3/5、スタヂオ・8・プロダクション=新東宝)
《本間文子》。健三(芥川比呂志)が税金納入の催促をしに行く中華料理店のおばさん。亭主が浮気ばかりして家計が大変、役所で浮気の取締りをしてくれと言う
夜の終り
(1953/4/8、東宝)
《本間文子》。下水道工夫:志村喬の奥さん。赤ん坊を背負ってスライド式の編み機を操作してる

(1953/4/29、東宝)
《本間文子》。夫(谷晃)の浮気で悩んでいる妻。浮気相手ミネウチ(役者名?)の下宿先にやって来て大家(高峰三枝子)に愚痴をこぼす。和服
花の中の娘たち
(1953/9/15、東宝)
《?》。石井家の母親。全編を通じて登場
地の果てまで
(1953/10/20、大映)
《本間文子》。山田万里(久我美子)の母親。ぐうたら亭主(青山杉作)に怒りをぶつけることもある
七人の侍
(1954/4/26、東宝)
《本間文子》。百姓女。冒頭の大きなお尻アップはカットの繋ぎから本間と思われる。野武士の襲来を嘆く。子供を背負ったりして何度も登場する。その後、数カットに登場
若き日の啄木 雲は天才である
(1954/5/25、新東宝)
《本間文子》。石川一(岡田英次)の母親石川かつ子。序盤から中盤にかけて複数回登場。「あたしにはお菓子をくれない」と言って嫁(若山セツ子)を困らせる
潮騒
(1954/10/20、東宝)
《本間文子》。お春婆さん。元海女らしい(海には入らない)。島のおかみさんたちが集まるシーンに何度も登場。初江(靑山京子)が帰って来た祝の宴席にも出席
泉へのみち
(1955/3/8、東宝)
《本間文子》。タバコ屋のおかみさん。金沢幸三郎(根上淳)はここの2階に下宿している。終盤で商品で遊んでる子供(毛利充宏)を叱りつけている場面。京子(有馬稲子)が訪ねてきたら急に愛想よく対応する
33号車應答なし
(1955/5/31、東宝)
《本間文子》。殺害されたタクシー運転手(柳谷寛)の女房
夫婦善哉
(1955/9/13、東宝)
《本間文子》。柳吉(森繁久弥)と蝶子(淡島千景)が二階借りしている大家。一階に住んでおり亭主(谷晃)と一緒に箱作りをしているようだ
生きものの記録
(1955/11/22、東宝)
× 《本間文子》。火事が収まったとき成り行きを見守る従業員の家族。その他大勢の中に高堂国典と一緒に佇んでいる。アップの画はなし
妻の心
(1956/5/3、東宝)
《本間文子》。高峰秀子の叔母。2シーンに登場。大きなおはぎを作ってる場面と土屋嘉男を見送る場面
不良少年
(1956/6/1、東宝)
《本間文子》。煙草屋のおばさん。青山京子の下宿先
あらくれ
(1957/5/22、東宝)
《本間文子》。お島(高峰秀子)の養母。1シーンのみの登場。縁側でお島の実父(東野英治郎)と会話する
恐怖の弾痕
(1957/6/26、東宝)
《本間文子》。小郷家の婆や。序盤での自宅シーンに数回登場。いつも和服
女であること
(1958/1/15、東京映画)
《本間文子》。有田(石浜朗)の下宿先(2階借)のおばさん。富士縫製(Web情報では「みどり洋裁店」)の女主人。中盤から終盤にかけて登場。1階の作業場で足踏みミシンかけ、2階の物干し台で洗濯物を取り込んだりしている
無法松の一生
(1958/4/22、東宝)
《本間文子》。茶店の婆さん。茶店のおばさん(馬野都留子)の母親みたい。中盤の松五郎の回想シーン。少年松五郎が父親のいる飯場へ行く途中の茶店で居合わせた客(上田吉二郎)からうどんをご馳走になるシーン
結婚のすべて
(1958/5/26、東宝)
《本間文子》。プレイボーイ学生・中川浩(山田真二)の下宿先のおばさん。マリ子(団令子)の母親でもある
鰯雲
(1958/9/2、東宝映画)
《本間文子》。田植えしてる脇の畦道で加原夏子と会話する農婦
大怪獣バラン
(1958/10/14、東宝)
《本間文子》。少年ゲン(伊東隆)の母親。婆羅陀魏様の御神域に入り込んだゲンを呼び戻そうと叫ぶ
裸の大将
(1958/10/28、東宝)
《本間文子》。山下清が初めて訪れた農家のおばさん。芋を恵んでくれる
狐と狸
(1959/4/28、東宝)
《本間文子》。バス停前の石津食堂のおばちゃん。加東大介と夏木陽介の二人と会話していて、話に乗せられて洋服を買ってしまう
或る剣豪の生涯
(1959/4/28、東宝)
× 《本間文子》。出雲お国(三好栄子)の舞踊の途中、乱入してきた三船敏郎に驚く前列の客。1秒もないワンカットのみ。その後のカットは何故かストップモーション
ある日わたしは
(1959/9/8、東宝)
《本間文子》。上原美佐の下宿のおばさん。台詞もそこそこあり
海底から来た女
(1959/9/13、日活)
《本間文子》。関家の婆や。全編を通して登場する。海辺の別荘で敏夫(川地民夫)たちの世話をする
女が階段を上る時
(1960/1/15、東宝)
《本間文子》。女ったらしの虚言癖男(加東大介)の妻。空き地で高峰と会話する
ふんどし医者
(1960/8/14、東宝)
《本間文子》。百姓権助(小杉義男)の女房。子沢山の家族。序盤と終盤。子供が病気にかかって小山慶斎(森繁久弥)に診てもらう場面。小山宅の前に集まって心配している場面、など
用心棒
(1961/4/25、東宝=黒沢プロダクション)
《本間文子》。百姓女。冒頭、小屋で機織をしながら亭主(寄山弘)と会話する。取り乱さない。夫婦の息子(夏木陽介)は、百姓を嫌って飛び出していく
山河あり
(1962/4/29、松竹)
《本間文子》。井上きしの(高峰秀子)親子が世話になっている農家(実家or親戚、よく分からず)の婆様。芹沢金兵衛(加藤嘉)の奥さん
霧子の運命
(1962/5/27、松竹)
《本間文子》。田村一夫(武内亨)の母親。終盤、霧子(岡田茉莉子)が夕食時の田村家を訪ねるシーン。松竹作品に出演とは珍しい
月給泥棒
(1962/12/8、東宝)
《本間文子》。掃除のおばちゃん。副業として高利貸し(トイチ)をやっているしたたか者。大写しで台詞も多い。出演箇所も多い
ああ爆弾
(1964/4/18、東宝)
《本間文子》。澤村いき雄のおかみさん
赤ひげ
(1965/4/3、東宝)
《本間文子》。山崎努が暮らしてた長屋の住人。病床の山崎を見舞う連中のひとり
おれについてこい!
(1965/6/20、東宝=渡辺プロダクション)
《本間文子》。河西昌代(昌枝の母)。昌枝(白川由美)が正月に帰省した時に大松監督(ハナ肇)をもてなす
暴れ豪右衛門
(1966/1/15、東宝)
《本間文子》。桶を担ぐ農婦。中盤は登場しないが終盤で再登場
なみだ川
(1967/10/28、大映)
《本間文子》。目黒の不動尊そばの茶店「不動尊や」の老婆。中盤に登場。おしず(藤村志保)、おたか(若柳菊)姉妹の注文を聞くが、おしずは真顔で名物の「目黒の秋刀魚」と。周りは笑いの渦
尻啖え孫市
(1969/9/13、大映=電通=黒澤プロダクション)
《本間文子》。岐阜城下町で祈祷する巫女。牧田三右衛門(五味龍太郎)に立ち退きを命ぜられる
奇々怪々俺は誰だ?!
(1969/9/27、東宝)
《本間文子》。田舎で暮らしている鈴木太郎(谷啓)の母親
戦国自衛隊
(1979/12/15、角川春樹事務所)
《本間文子》。戦車を見送る老婆
八月の狂詩曲(ラプソディ)
(1991/5/25、黒澤プロダクション)
× 《本間文子》。お堂に集まって皆でお経を唱える老婆たちのひとり。数回写る
まあだだよ
(1993/4/17、大映=電通=黒澤プロダクション)
× 《本間文子》。酒屋の婆様。猫を抱いている
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